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2025:
#1 hagahi /羽交い

ぐっすりと眠れた朝
目元を覆っていた光の翼を、そっとどけるように、
いつもより重たいまぶたをゆっくりと開く
体も、心も、心地よい重さからほどけていく
窓から差し込む生まれたての朝の光
居場所を探すように漂いながら、
こぼれ落ちた光の羽が、私を包み込む
二枚で一組の窓は、
翼を広げる鳥のように静かに開かれている
部屋を揺蕩う色に目を留める
淡い青の光の靄と、
壁に掛けた香色の半紙が、静かに呼応している
フローリングに足の裏をつけ、
机の上の蝋燭に火を灯す
シーツに残る、自分の体温が手招きをして、
私はもう一度ベッドへ戻る
軋む音を聞きながら、炎を見つめる
蝋燭は溶けながら、時の翼を形づくる
曖昧な炎の輪郭は、
窓から絶え間なく注ぐ青い光を受け入れ、揺らぐ
それは、鳥が羽を休めながらも、
心臓だけは動かし続けている姿に似ている
この世界だけが、
この重なり合う時間だけが、
ずっと続けばいいと願ってしまう
緩やかに変化していく世界を、
鳥は翼を重ね、
抱きしめるように生きている
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